古来より、日本をはじめアジア各国では
自然と調和した暮らしぶりを尊ぶ。
欧米人は押しなべて陣地を囲い、
頑丈な家をこしらえ、
自然の恵みを狩って命を紡ぐ。
布は着丈に合わせて裁断し、
着脱しやすいよう固いボタンやチャックで仕上げる。
私たちは、布のまとい方に工夫を凝らし、
1枚で何通りの着方もできるよう余韻を残す。
風呂敷の包み方のバリエーションを覚えるのと、
中身に応じて用途別のバッグを製作するのでは、
便利が違う。
こうして暮らしてきた私たちは、
人間が環境に合わせて変化するのが常態で、
環境そのものを変える思考には
なりにくいのかもしれない。
アングロサクソンが
人為的につくった環境に対しても自分を抑え、
我慢し、何かを諦めて何かを得ようとする。
惜しむらくは無機質で人工的な環境に身を任せても、
自分たちにとって都合がいいような恵みは期待できないだろう。(吉松)