ある忙しい朝、
小さな男の子がたどたどしい手つきで靴下を履いていた。
その子のパパは、
「いつまでかかってんだ。早くしろ」
とつい怒鳴りそうになったが、
男の子の眼差しを見ると真剣そのもの。
靴下を履くことにまっすぐに取り組んでいる姿を見て、
隣に腰を下ろして優しく見守ることにしたそうだ。
パパはその日を境に、
行動だけを見ているとイライラするような場面でも、
しっかりとわが子の目を見ていれば
何時間でも待てるようになったという。
そういえば、
海外ではたまたまエレベータで乗り合わせただけで、
男女を問わず視線を合わせて微笑んでくれる人に出会うことがある。
私たちはついつい会釈やお辞儀で
相手から目線を外すことを尊ぶが、
たまには勇気を出して相手の瞳を見つめてほしい。
ただし若干、惚れっぽくなるので道ならぬ恋にはご用心を!(吉松)