「働き方改革」で早く帰れるのにわざわざ寄り道して家に帰らない「フラリーマン」と呼ばれるビジネスパーソンが少なからずいることをNHKのテレビで知った。
家に帰るより、ゲームセンターやバッティングセンターで一人で時間を潰して帰宅するのである。
家族と何を話して良いか、何をすれば良いのか、分からないのであろう。
それよりも会社では目標が明確であり、上司の指示や要求に応えれば、自分の存在価値を確認できる。筆者の経験だとそういう理屈になる。
そして、反省している。
コミュニケーションは意思の伝達であり、ビジネスではわかりやすいことが第一である。
しかし、家庭では、子どもを良い学校に入れるとか、人よりも贅沢な暮らしをするとかではなく、家族で暮らしていることが一番重要だ。
父親だけではなく、子どもも親の期待に応えられないと苦しむ。そのことで家庭に帰れなくなれば、フラリーマン以上に深刻である。何もしないで、家族といるだけで安らぐ。
そんな家族が増えれば、家庭を持ちたい若者も増え、少子化に歯止めがかかるかもしれない。
山口伸一